実態はどうなんだか、はかり知れないが、心の平穏無事を体得している人びとといえば宗教関係、身近なところではお坊さんが思い浮かぶ。

 「人はいつ、いかにして、霊験あらたかなお坊さんになるのかを知るには、この本がバッチリ!」と間室さんが薦める(1)『ボクは坊さん。』。祖父の後を継いで、24歳にして四国八十八カ所の霊場のひとつであるお寺の住職となった愛媛県の若者が、33歳のいまにいたるまで、どのような日々を過ごしてきたかが、お坊さんらしい悠然としたタッチで書かれている。

 初めての葬式、初めてのお盆、お坊さんだけの野球チームの選手になるなどの超俗のエピソードの数々から読み取るべきは、「筆者の心の開き具合」だと間室さんはいう。

 「知らないことに直面したとき、この筆者はいつも、大きく心を開き、身を投げ出している。これは職場や学校でも応用できるのでは」